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2022.08.27工場における脱炭素の取り組み/空調の省エネ策
工場における脱炭素の取り組み/空調の省エネ策
(1)脱炭素の取り組みの必要性とメリット
2020年10月の、菅総理大臣による2050年カーボンニュートラル宣言により、
国内でも脱炭素に向けた動きが急激に加速しました。
中小企業においても排出削減が要求され、自社製品の競争力確保のため、
資金調達のため、人材確保のため、電気料金低減のためなどで、
脱炭素への取り組みを進めなければならないことになりました。
脱炭素に取り組むことで、事業基盤の強化、新たな事業機会の創出、
企業の持続可能性の強化につながっていくことから、取り組むメリットは大きいと考えます。
(2)工場における中短期的な省エネ対策
工場における中短期的な省エネ対策は様々ありますが、特に空調、照明、コンプレッサーで示します。
「空調」においては、フィルター清掃、設定温度の改善、高効率な空調機の導入、
遮熱断熱による侵入熱量の低減が挙げられます。
「照明」においては、不要箇所の消灯、人感センサーの導入、LED照明の導入、
床面を高光沢にしたり、間接光を導入することことでの、照明カットが挙げられます。
「コンプレッサー」においては、吐出圧の低減、空気漏れ対策、高効率コンプレッサーの導入、
使用設備の見直しなどが挙げられます。
今回、この中でも遮熱断熱に注目し、熱量抑制による省エネ効果について、詳しく紹介します。
(3)(実験)空調消費電力に及ぼすアルミ遮熱シートの効果
下の説明図は、空調消費電力に及ぼすアルミ遮熱シートの効果について実験した結果です。
通常テントとアルミ遮熱シートを施工したテントにおいて、空調を導入し、
空調23℃設定した時の電力量を比較しました。
その結果、「省エネ63%」となり、遮熱断熱が、省エネに大きく寄与するケースがあることがわかりました。
(4)(モデル解析)侵入熱量の計算
では、なぜ遮熱断熱で省エネになるのか、侵入熱量を計算してみました。
下の図のモデルで、通常屋根の場合と、アルミシートを施工した場合を計算しました。
その結果、「63%の熱量減」となりました。この熱量減により、先ほどの実験でも省エネになったと推測します。
実は、このアルミシートの遮熱断熱の効果は、低放射のlowE複層ガラスと同様の原理となります。
窓と同様、屋根を断熱することにより、省エネに大きく寄与します。
(5)実際の施工したアルミ遮熱シートの温度測定結果
アルミ遮熱シートは、下図のように、屋根下に、空気断熱層を設けて施工していきます。
施工中の温度ではありますが、「スレート屋根が48℃、アルミ遮熱シートが22℃」であることから、
アルミ遮熱シートで、屋根からの放射熱をカットできていることがわかるかと思います。
この様子は、アイベック千葉営業所の倉庫で実際に、「体感」することができます。
是非、お問い合わせください。
(6)遮熱断熱による省エネ効果が高いケース
では、遮熱断熱による省エネ効果が高いケースについて紹介します。
屋根温度が50℃以上あるところ、屋根下にある製品などの天面温度が高いところについては、
屋根からの放射熱が多いということになります。
このようなところについては、屋根からの放射熱をカットする遮熱断熱の対策による省エネ効果が
特に高くなるため、是非お問い合わせください。
また、下の図のように、夏季の空調による電力量が高いケースでも効果的です。
対策を行うことにより、夏季の最大電力量を下げることができる、すなわちデマンドを下げることが
できることから、電気代を大幅に削減できる可能性があります。
以上、工場向け脱炭素の取り組みとして、空調の省エネ策について紹介しました。
是非、ご参考いただきますようお願いいたします。
(参考資料)
「建築環境工学」朝倉書店
「中小企業事業者のための脱炭素経営ハンドブック」環境省
「SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック」環境省
「工場の省エネルギーガイドブック2021」省エネルギーセンター
「千葉県脱炭素化促進緊急対策事業補助金」千葉県
本内容については、以下のYouTube動画も参考にしてください。
以下の動画、リンクもご参照ください。
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関口(eyebec236@eyebec.co.jp)
⇒熱中症対策・暑さ対策③ 熱解析計算例<劣化した金属屋根、窓面積が広い倉庫>
⇒熱中症対策・暑さ対策⑥ アルミ遮熱シート長期効果検証その1